「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」報告書の公表について

認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」報告書の公表について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/07/h0710-1.html

今般、「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」において、同プロジェクト報告書が取りまとめられたので、公表する。

報告書の概要は以下のとおりである。

〈概   要〉
○ 本プロジェクトは、今後の認知症対策をさらに効果的に推進し、「たとえ認知症になっても安心して生活できる社会を早期に構築する」ことが必要との認識の下、厚生労働大臣の指示の下に設置された。
○ 本プロジェクトの検討においては、医療、介護等の有識者に参画いただいたとともに、認知症の人の家族や認知症対応型サービスの代表者からのヒアリング等を実施した。
 今般、その結果を以下のとおり取りまとめたところである。

I これからの認知症対策の基本方針
○ 今後の認知症対策の基本方針は、早期の確定診断を出発点とした適切な対応の促進
○ 具体的には、(1)実態の把握、(2)研究開発の加速、(3)早期診断の推進と適切な医療の提供、(4)適切なケアの普及及び本人・家族支援、(5)若年性認知症対策を積極的に推進するため、財源の確保も含め、必要な措置を講じていく必要がある。

II 今後の認知症対策の具体的内容

1 実態の把握

○ 認知症患者数を正確に把握するため、医学的に診断された認知症の有病率調査を実施
○ 認知症患者の症状別、医療機関・施設別の利用の実態や、地域における認知症に対する医療・介護サービス資源の実態等について調査を実施
○ 要介護認定で使用されている「認知症高齢者の日常生活自立度」は、より客観的で科学的根拠に基づくものへの見直しを検討

2 研究・開発の促進

○ 今後5年以内に、アルツハイマー病の促進因子・予防因子を解明し、有効な予防方法を見いだすことを目標とした研究を促進
○ 今後5年以内に、アルツハイマー病について早期に、確実に、身体に負担をかけない診断が可能となるよう、アミロイドイメージングによる画像診断、血液中のバイオマーカー等の早期診断技術の実用化を目標とした研究を推進
○ 資源を集中し、今後10年以内にアルツハイマー病の根本的治療薬の実用化を目標とした研究を推進

3 早期診断の推進と適切な医療の提供

○ 認知症診療ガイドラインの開発・普及、専門医療機関の整備等により、早期診断の促進とBPSDの急性期や身体合併症への適切な対応を促進
○ 認知症の専門医療機関である認知症疾患医療センターを全国に150か所整備し、地域包括支援センターとの連携担当者を新たに配置
○ 認知症の専門医療を提供する医師の育成や研修体系の構築

4 適切なケアの普及及び本人・家族支援

○ 認知症ケアの標準化・高度化に向けた取組みの推進
○ 認知症連携担当者を配置する地域包括支援センター認知症疾患医療センターに対応して新たに全国に整備し、医療から介護への切れ目のないサービスを提供
○ 身近な地域の認知症介護の専門家等が対応するコールセンターを設置
○ 市町村等による定期的な訪問相談活動等きめ細やかな支援の取組みを推進
○ 「認知症を知り地域をつくる10か年」構想等の推進

5 若年性認知症対策

(1) 気軽に相談できる全国1か所の若年性認知症コールセンターを設置し、

(2) 認知症連携担当者が新たに診断された若年性認知症の人を把握し、本人の状態に合わせて雇用・就労サービスや障害者福祉、介護サービスにつなぐとともに、

(3) 医療・福祉と雇用・就労の関係者からなる若年性認知症就労支援ネットワークの創設、

(4) 若年性認知症ケアのモデル事業の実施による研究・普及、

(5) 国民、企業等への広報啓発

等により、「若年性認知症総合対策」を推進

認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト報告書(1〜18ページ(PDF:485KB)、 19〜27ページ(PDF:201KB)、全体版(PDF:686KB))

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