新型インフルエンザ(2009年7月27日現在)

新型インフルエンザ(2009年7月27日現在)
http://idsc.nih.go.jp/idwr/douko/2009d/29douko.html

 新型インフルエンザA(H1N1)は、急な発熱や咳、咽頭痛などを主な臨床症状とする急性呼吸器疾患であり、季節性インフルエンザとほぼ同様の臨床像を示す。発病者は若年齢者層に集中していることは日本国内、諸外国共に同様である。また、殆どの発病例は軽症であるとされており、日本ではまだ報告例はないが、一部の重症の多くは肺炎による呼吸不全を呈していると米国等より報告されている。学校等の集団生活施設が大きな感染拡大の場であると考えられており、日本国内においても、季節性インフルエンザではそれほど大きな流行とはならない高校や中学校での集団発生事例が多い。また、抗インフルエンザウイルス薬を発症後早期に投与することによって、有熱期間が短縮する等の報告も出てきている。

 WHOによると、2009年7月27日現在、世界各国から134,503例の確定症例と、うち816例の死亡が報告されている。アフリカやアジアの一部の国々を除く、世界中の多くの国々から患者発生の報告があるが、既に重症患者を中心とした検査・報告システムに変更されているところが多く、実際の発生者数を示すものではなくなっている。現在冬季である南半球の国々における新型インフルエンザA(H1N1)の流行の推移を監視することは、今後の北半球の冬季を中心としたシーズンの流行を予測する上で非常に重要である。しかし、現在夏季に入り通常は収束しているはずの北半球のインフルエンザ患者の発生には、衰えがみられていない。

 日本国内では、7月24日午前6時の時点で、5,022例(検疫対象者36例を含む)の確定例を最後に、全数の報告は終了している。学校等が夏季休暇に入ってきているが、国内の新型インフルエンザの流行の動向については注意していく必要がある。

 今後、秋季以降の本格的な流行の開始時期や流行の規模等については、現時点では推定することは困難であるが、流行の到来時には、学校施設等での集団発生の多発、地域社会へのウイルスの浸透による患者発生数の急増、他の国々で既に見られている重症患者の出現等が予想される。大規模な流行に備えた医療体制の確立、各地域ごとの効果的で実施可能な流行拡大抑制対策を準備しておくことは、現時点において極めて重要な課題である。

 新型インフルエンザの最新情報はhttp://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html をご参照ください

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