保育園における腸管出血性大腸菌感染症の集団感染の防止について

保育園における腸管出血性大腸菌感染症の集団感染の防止について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/09/20n9h300.htm


平成25年9月13日
福祉保健局

 都内の保育園において腸管出血性大腸菌感染症(O26)の集団感染が発生しました。
 腸管出血性大腸菌感染症は、感染力が強く、施設や家庭等でも容易に感染が拡大し、また、重症化することも少なくないため、十分な注意が必要です。
 都では、乳幼児が集団生活を行う保育園において、感染症や食中毒の発生に十分に注意し、手洗いの徹底や施設の衛生管理に万全を期すよう注意喚起を行うことといたしました。

1 腸管出血性大腸菌感染症の発生状況等

 腸管出血性大腸菌感染症には、O157、O26、O111などの型があり、都内では年間に約250〜400人の患者が発生しています。(過去5年)
 同一施設での集団感染は、全国では年間10数件が報告され、このうち食品媒介等ではなく、人から人へ感染したと考えられる事例は、大部分が保育園・幼稚園での発生です。
 なお、例年7月から9月は流行する時期にあたり、各施設は、感染症や食中毒の防止に十分に注意し、集団感染等が疑われる場合は、速やかに保健所に報告、相談してください。

2 都内の保育園の事例

 調布市内の保育園で発生した事例では、9月5日(木曜)、多摩府中保健所に医療機関から一人目のO26の患者(1歳児クラス)の発生届が提出されました。保健所は同日、患者宅及び同園を訪問し、状況調査と衛生指導を行うとともに、10日間の健康観察(新たに有症状者が発生しないかを毎日確認すること)を依頼しています。また、保育園では、同日、患者家族の了解を得て、全園児の保護者あて一斉メールで注意喚起を行っています。
 9月9日(月曜)新たに2名の園児(1歳児クラス及び3歳児クラスの兄弟)がO26と診断されたことから、保健所と園との連名であらためて全保護者への通知を行い、全園児、職員の検便を行うこととしました。(患者の家族についても実施)
 検便の結果、0歳児クラス(1名)及び1歳児クラス(6名)の園児から感染者が確認されています。これまでのところ感染者は10名で、有症状者は5名ですが、入院治療が必要な重症者はいません。また、職員からの感染者は確認されていません(平成25年9月13日現在)。なお、感染が確認された園児は、菌の消失が確認できるまでの間、登園を控えていただいています。

3 感染防止のために注意すべき事項

 腸管出血性大腸菌感染症の感染経路は、経口感染です。菌に汚染された食品等を喫食することにより感染します。また、患者の便や菌のついたものに触れた後、手洗いを十分に行わなかった場合などに、人から人への感染を起こす可能性があります。
 食事前やトイレの後、排泄の介助やオムツ交換等を行った後には、その都度、石鹸と流水による手洗いをきちんと行うことが重要です。
 菌に汚染した可能性のある場所は、適切な方法で消毒を行う必要があります。

※参考 腸管出血性大腸菌感染症について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/09/20n9h301.htm

問い合わせ先
福祉保健局健康安全部感染症対策課
 電話 03-5320-4482
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2013/09/20n9h300.htm