新型インフルエンザの発生に備えた保健医療体制の整備に関する緊急提案

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2008/04/20i4s201.htm

20福保健感第47号
平成20年4月28日

厚生労働省健康局長
西山正徳 様

東京都福祉保健局長
安藤立美

新型インフルエンザの発生に備えた保健医療体制の整備に関する緊急提案
 平素より、東京都の福祉保健施策の推進に、御理解と御協力を頂き、厚く御礼申し上げます。
 このたび、国は、新型インフルエンザが発生した場合の被害を最小限に食い止め、発生前後に必要な対策を迅速かつ確実に実施するために、感染症法及び検疫法の一部を改正しました。また、平成19年10月には「新型インフルエンザ対策行動計画」を改定し、フェーズ4(新型インフルエンザ発生)以降に講じる対策等を追加しました。
 しかし、未だ、日本国内で新型インフルエンザが発生した時の具体的な対策が十分とはいえません。
 例えば、新型インフルエンザ発生時には、医療従事者、社会機能維持者を対象に、本人の同意の上でプレパンデミックワクチンを接種するとしており、現在2,000万人分の備蓄を行っていますが、社会機能維持者の範囲や、配付計画、接種方法、費用負担等のいずれも明らかにしておりません。
 新型インフルエンザの感染拡大による健康被害と社会的・経済的混乱を最小限に抑えるためには、事前の対策を徹底するとともに、発生時の具体的な対応を、あらかじめ定めておくことが必要です。そのためには、国が責任を持って、統一的に、事前に制度を整えるとともに、財政措置を講ずる必要があります。
 つきましては、以下のとおり対策を講じていただくよう、ここに緊急提案いたします。

1 新型インフルエンザ患者の外来・入院治療を行う医療機関の施設設備基準を明示するとともに、施設整備及び運営に対して必要な財源措置を講じること。

2 新型インフルエンザ発生時に、医療機関が継続して診療体制を維持できるよう、医療スタッフや医療資器材の確保策をはじめ、具体的かつ実効性のある方策を示すとともに、必要な財源措置を講じること。

3 抗インフルエンザウイルス薬の備蓄量が他の先進諸国に比べて少ないことや、薬剤耐性ウイルスへの対応の必要性などを踏まえ、備蓄計画を見直すこと。

4 プレパンデミックワクチンの接種対象者の範囲を具体的に明確化し、あらかじめ国民に対して十分な説明を行うとともに、予防接種法に基づく接種に位置付けること。

5 新型インフルエンザ発生時におけるパンデミックワクチンの安定的供給のため、生産体制を確保するとともに、パンデミックワクチンの接種順位について、あらかじめ国民に対して十分な説明を行うこと。また、ワクチン接種を予防接種法に位置づけることについて検討すること。

6 ワクチンの接種体制を確保するために、必要な財源措置を講じること。

7 感染症法に基づく患者の移送については、安全かつ効率的・効果的に実施できるよう対策を講じること。

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