保育園における腸管出血性大腸菌感染症の集団発生について

保育園における腸管出血性大腸菌感染症の集団発生について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2008/10/20iak200.htm
平成20年10月17日
福祉保健局

 大田区内の保育園において腸管出血性大腸菌感染症O111)の集団感染が発生したので、お知らせします。(本案件は、10月14日に大田区が発表したものと同じ案件です。)

1 経過
 平成20年10月11日(土)、都内病院の小児科医師より電話で大田区保健所に「血便、HUS(溶血性尿毒症症候群)疑いで2名が入院中で、1名血便にて外来受診中、入院患者のうち1名は腸管出血性大腸菌感染症O111)である。3名とも大田区内の同一保育園児である。」との連絡が入った。
 この通報を受け、保健所は、直ちに感染症と食中毒の両面から調査を開始し、集団感染の発生を確認した。
 園児、職員の検便、食品検査及び施設内の拭き取り検査等を実施するとともに二次感染予防の指導及び保護者に対する説明会を実施した。
 10月17日現在、園児17名、職員1名からO111が検出されている。
 現在のところ、感染経路は不明。保健所は、引き続き原因調査を実施中である。

〔別紙〕

腸管出血性大腸菌感染症について
(引用:東京都感染症情報センターホームページ)
1 症状
 典型的な症状として、2〜9日(多くは2〜5日)の潜伏期間の後、激しい腹痛を伴う頻回の水様便、続いて血便が見られます(血便は出血に近い場合もあります)。発熱は多くの場合37℃台と軽度です。症状は、まったく無症状の方から、重症の方まで様々です。
 発症者の約5%が、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症(けいれんや意識障害)などの合併症を起こし、時には死亡することもあります。

2 菌型
 腸管出血性大腸菌は、血清群により、O157、O26、O111などに分類され、O157の報告数が最も多く、2番目にO26、3番目にO111です。これらの血清群の違いと症状、感染経路、治療、予防方法に大きな相違点はないと考えられます。

3 経路
 感染経路は、食品などを原因とする「食中毒」と、「感染症」の2つに大別されます。
 食中毒
 腸管出血性大腸菌は、牛などの動物の腸管にいる菌です。主な原因食品は、牛肉や牛レバーなどの生食や加熱不十分な肉類です。また、食肉等から二次汚染した食品などあらゆる食品が原因となる可能性があります。
 感染症
 患者の介護をした人の手洗いが不十分なことから、二次感染につながることがあります(経口感染:手や、手でふれた食品を介して病原体に感染)。また、トイレや風呂を介した感染、子供用簡易プールでの感染、観光牧場での動物への接触などによる感染事例も知られています。

4 治療
 下痢に対して整腸剤を用いるなど対症療法が中心です。抗菌剤の使用に関しては、医師が病状に応じて判断しています。水分補給・安静に努め、消化しやすい食事を心がけましょう。

5 予防のポイント
 外食や調理の際の注意

肉の生食(レバ刺しやユッケなど)は避け、十分に加熱しましょう
肉を焼くときの取り箸やトングなどは専用にして、口に入れないよう注意しましょう
生野菜はよく洗い、ハンバーグなどは中心部まで十分に加熱しましょう(十分に加熱できたかどうかの目安として、ハンバーグの中心から透明の肉汁が出ることを確認します)
調理の時、手指はこまめに洗いましょう。特に、生肉を扱った手指は、他の食材や器具に触る前に、石鹸で十分に洗いましょう
生肉を扱った調理器具は、使用後すぐに洗剤で洗い、熱湯等で消毒してから、他の調理に使いましょう


 個人衛生

トイレの後、調理・食事の前、汚物処理の後は石鹸と流水で十分に手を洗いましょう
動物に接した後は、石鹸と流水で十分に手を洗いましょう
患者の介護をする人は、下痢便に触れないように使い捨て手袋を使い、はずした後も十分に手を洗いましょう
下痢症状のあるときは入浴の順番は最後にし、シャワーを使いましょう
下痢症状のあるときは、プール(特に子供用簡易プール)の使用は控えましょう

詳しくは
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2008/10/20iak200.htm

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