結核集団感染の発生について

結核集団感染の発生について
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/03/20k39100.htm

平成22年3月8日
福祉保健局

 多摩府中保健所管内の私立中高一貫校で、生徒及び教員35人が結核に集団感染する事例が発生しました。
 現在これまで、感染性のある患者と接触があった関係者について、感染の有無を継続して調査しています。感染性のある患者は既に入院治療中で、今後新たな感染が広がる可能性はありません。
 本事例の発生を受け、都は、都内学校及び医療機関へ、結核の早期発見・早期診断を促す注意喚起を別添のとおり行いました。
 都民の皆さまにおいては、咳や痰などの症状が2週間以上続く場合など、結核が疑われる症状があれば、直ちに医療機関を受診するようお願いします。

1 学校内における発病者・感染者発生状況(平成22年3月7日現在)
 発病者 9人(中2:6人(うち1人入院中)、高1:2人、高3:1人)
 感染者 26人(中2:21人、中学校教員5人)
 合計 35人

2 感染拡大の要因
 中学2年の生徒1名は、平成21年6月頃から、発熱や咳などの症状があり、徐々に増悪した。9月からは4か所の医療機関を受診したが、結核と診断されなかった。
 結果的に、感染性結核の発見が遅れ、数か月の間、排菌したまま登校を続けていた。

3 経過の概要
 平成21年4月 中学2年生の生徒1名の肺結核が判明(患者(1))。
 平成21年11月 中学2年生の生徒1名(患者(1)と中学1年生のとき同クラス)の感染性肺結核が判明(患者(2)入院中)。高校1年生の生徒1名の肺結核が判明。
 平成21年12月から平成22年2月にかけて、患者(2)の接触者健康診断を実施。
 平成22年3月 接触者健康診断の対象外であった高校3年生の生徒1名の肺結核が判明。

4 都の今後の対応
 保健所と学校が連携し、健康診断を行うなど、感染拡大の防止を図っていく。

〔参考〕
日本はまだ、結核の中まん延状態(※)にあり、都内でも年間三千人以上の新規患者が発生している。
(※)中まん延:WHOは、結核罹患率(人口10万対)10以下を低まん延国(平成19年統計では欧米諸国の9カ国)を、また、患者数の多い22の指定する国を「結核高負担国」と定めている。日本の罹患率は、平成20年統計では19.4で、中まん延状態にある。

感染者のうち発病する確率は通常10%程度。潜伏期は3か月〜2年。血液検査等で感染の有無を判定。感染しても発病予防薬により発病を抑えることができる。
発病した場合でも、早期に発見されれば感染性がないため、入院せずに治療が可能。
発見・治療が遅れると感染性結核に進行する。胸部エックス線検査で発病の有無、喀痰塗抹検査で感染性の有無を判定。
主な都内での過去の集団感染事例
発生年:平成14年
属性:高校生
発病者・感染者発生状況:発病者4名、感染者8名
発生年:平成17年
属性:学習塾
発病者・感染者発生状況:発病者63名、感染者116名
主な中学校での過去の集団感染事例
 発生年:平成11年
 都道府県:高知県
 発病者・感染者発生状況:発病者36名、感染者155名

※別添 学校における結核集団感染の予防について・医療機関における結核の診断について(PDF形式:17KB)
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/03/DATA/20k39100.pdf

問い合わせ先
福祉保健局健康安全部感染症対策課
 電話 03−5320−4483
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2010/03/20k39100.htm


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